ついに2019年10月、消費税が10%に引き上げられます。この消費増税によって何が起こるのでしょうか?

この消費増税による景気の落ち込みを防ぐ対策として、政府は住宅ローン減税の拡充を打ち出しています。これは、2019年10月~2020年12月末までに入居する住宅に限り、住宅ローン控除の期間を現行の10年間から13年間に延長するものです。控除額は10年間で最大400万円から13年間で480万円に拡充されます。

しかし、そもそも消費税は「土地」ではなく「建物」だけにかかるものです。また、中古物件など、売主が個人の場合もかかりません。

消費税が10%にアップして影響を受けるのは業者から買う場合だけで、その大半が新築物件なのです。結局のところ住宅ローン減税の拡充は、中高物件の個人間売買が対象ではなく、業者から買う新築物件を対象とした「新築だけ優遇政策」といえます。

この政策が詳細の不動産の価格にどう影響するのでしょうか?

誰もが知っている通り、少子高齢化が進む一方のこの国では人口が2008年にピークに達してから下降。統計によると、2023年にも世帯数はピークを迎え、2024年以降はピークアウトすることが分かります。あくまで予想ですが。

するとどうなるか!世帯数が減る一方なのに、現在のような年70~80万戸ペースで住宅総数が増加していくと、当然空き家が増えます。5年ごとに行なわれる国土交通省の統計では、2013年の空き家率13.5%が2018年の予想では16%を超えてくるそうです。
民間の研究所の予測では、2033年までに空き家率は30%にも達すると見られています。

それにもかかわらず、政府は消費増税対策として住宅ローン控除の拡充という「新築だけ優遇政策」を進めようとしています。
かたや住宅ローン控除の拡充で新築物件が増えます。その一方で「住宅余り」が進むというのは、あまりにも矛盾しています。

「いま住宅ローンを組めば得なんだ!」と信じてマイホームを買った一方で、家が余って不動産価格が下落する一方という可能性があるのです。地方都市や郊外でその傾向は顕著になるのは容易に想像できます。

もっと具体的に考えると、何かの事情で住宅ローンを抱えた家を手放す場合、不動産価格の値下がりで家を売ってもローンが残り、どうにもならなくなる可能性があるということです。

どう見ても政府は「空き家率の急上昇」の傾向を促しているとしか思えません。

※ 参照資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」
※ 参照資料:野村総合研究所